日本のKDDI株式会社の子会社で、モンゴル最大の情報通信事業者であるMobiCom(モビコム)社の濱田達弥会長が任期を終えたことにより、近々日本へ帰国する。濱田会長はモンゴルに6年間駐在し、モンゴルトップ企業の社長としての重要な任務を果たしただけでなく、モンゴル国、モンゴル人と近しく過ごした人である。2021年、モンゴル国大統領は彼のモンゴル社会に溶け込もうとする姿勢や業績を高く評価し、外国人に与えられる最高位の勲章である「北極星勲章」を授与した。さらに2022年3月に、観光・自然環境大臣により、モンゴル国初の「観光大使」として任命された。今後、日本での一層のご活躍を念じ、帰国前のインタビューをお願いした。
――モンゴルでの任期満了、お疲れ様でした。また、「観光大使」のご就任、おめでとうございます。モンゴルに初めて来られた時の、一番印象に残ったことからお聞きしたいです。
6年前に初めてモンゴルに来ました。それまでの印象は多くの日本人と同じく大自然と牛、馬、羊、赤いホッペの子が馬の前に立っている風景写真という典型的な旅行ガイドブックのイメージでした。しかし、ひとたび来てみると、国際空港があるウランバートルは大都市で、高いビルが沢山建っており、イメージと全く違っていました。我々のようなビズネズパーソンの観点でみても様々なビジネスが発達しており、世界クラスのマイニング事業があり、またテレコムIT産業も非常に成長しています。その姿は、日本人だけでなく、世界の多くの人々がもつモンゴルのイメージと全く異なる姿がここにあることに非常に驚きました。
――6年以上の滞在で、お気に入りの場所や興味を持ったことなどについてお話しください。
とても沢山ありますね。実は、意外とモンゴルの厳しい冬も好きです。冬期は−30度、−40度になりますので、寒いといって嫌がる人が結構いるのですが、田舎の方に行くと本当に真っ白で、地平線まで真っ白になるとても美しい風景があるのです。こういう風景は日本にはないですね。また夏の大草原も好きです。それが場所によって変わり、ドルノド県やスフバートル県などの東の方は草が長く大平原が広がり、ボルガン県やアルハンガイ県は草が短く、岩山などにも広がる緑が色鮮やかで、青い空とのコントラストが非常に綺麗です。西にはアルタイ山脈などの高い山々、そして北には湖水の透明度が非常に高いフブスグル湖、南には広大なゴビ砂漠などの異なるシーンが多くあり、一つを選べないのです。
――モンゴルの21県は全部行きましたか。
もちろん。21県を二周はしました。県によっては3、4 回、それ以上の回数も行きましたよ。