ダルハン・オール県の歴史は、20世紀半ばにおけるモンゴル北部の急速な工業化と深く結びついています。首都ウランバートルの人口集中を緩和し、重工業の基盤を確立するため、1961年10月17日に実り豊かなハラー川流域で中心都市ダルハンの建設が始まりました。ソ連をはじめとするコメコン(経済相互援助会議)加盟国からの多大な資金・建築・技術支援を受けて開発された同市は、コンクリート、製鉄、繊維、食品加工などの製造業の拠点として急速に発展しました。その後、拡大する都市部と周辺の農業地域をより適切に統合するため、1994年にモンゴル国会によってセレンゲ県から独立する形でダルハン・オール県が新設され、ダルハン、ホンゴル、オルホン、シャリンゴルの4つの主要な行政区(ソム)で構成されることとなりました。
地理的および人口統計的に見ると、ダルハン・オール県はモンゴルで最も人口密度が高く、コンパクトな行政区域の一つです。首都ウランバートルの北約230 km、モンゴル縦断鉄道の主要沿線に位置し、3,275 km²の面積に約10万5,000人から11万人の住民が暮らしており、その80%以上が中心都市ダルハンに集中しています。人口の大部分が都市部に集中しているものの、標高が低く比較的に穏やかな気候に恵まれた周辺の農村地区は国内有数の穀倉地帯となっており、畜産業とともに小麦、ジャガイモ、野菜の重要な生産地となっています。今日においても、同県は主要な製鉄・建設資材の供給拠点、そして国内第2の高等教育都市としての二大レガシーを維持し、モンゴル経済を支える重要な役割を果たし続けています。